カラオケ屋台に市が戒告書
行政代執行法の第3条第1項をご覧下さい。
第3条 「前条の規定による処分(代執行)をなすには、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨を、予め文書で戒告しなければならない。」 |
公文書を発布するだけで、何故こういう争いになるのでしょう?
記事中の写真で、左側で戦うカラオケ屋台側が、個人の意思である「わたし」、そして右側で代執行の公文書を発行しようとしている行政側が社会の意思である「私達」です。
戒告とは、行政上の義務の履行を催告する通知行為のことで、代執行の前提です。
行政代執行法3条によると,行政庁が代執行をするには,相当の履行期限を定め,その期限までに履行がないときは代執行をする旨をあらかじめ文書で戒告しなければなりません。
これが戒告書です。
緊急の必要性のある場合を除き,戒告の手続を踏まずに代執行を行うことは許されません。
何故なら個人の尊厳に対する権力による強制排除は、慎重の上にも慎重をかさねなければならない、これが行政代執行法3条の趣旨だと解されるからです。
では何故そういえるのでしょう?
それは記事中の写真の右側にいるのも左側にいるのも、ほかならぬ「私」で、かつ右側の「私」である社会の意思には力関係上、絶対に抗えないからです。
そこでこの戒告書が十分被排除者に示されることなく、形式的に代執行の前提条件として置いてこられただけ、例えば本人に手渡さずそこらに貼ってきただけでは3条に反する恐れが出てきます。
逆にその要件を充足した代執行は、「左側のあなた」にも「右側のあなた」にも納得できるものになるはずなのです。
あなたが新聞記事の写真で左側(個人としての意思)に写るか、右側(社会としての意思)に写るかは、時の運でしかありません。
そのため法律には、どちらに入っても誰もが納得できるような公平性のシャーシが組み込まれています。