違法駐車民間委託、初年度必要人員は約540人---警視庁(response)
「駐車監視員は雇用関係にある受託法人のもとで違法駐車の確認事務を行う。警視庁が初年度43署で予定している駐車監視員の人員は「全体で260-270ユニットの規模で検討中」(交通部)。ユニットとは、違法駐車の確認事務を実行するために必要な駐車監視員のチーム数のこと。最少2人の駐車監視員が1ユニットを組んで確認事務を行う。必要な駐車監視員の人数は、520-540人前後と予測される。」
道路交通法の一部を改正する法律による第51条の8をご覧下さい。
第五十一条の八(確認事務の委託) 「警察署長は、第五十一条の四第一項に規定する放置車両の確認及び標章の取付けに関する事務の全部又は一部を、公安委員会の登録を受けた法人に委託することができる。」 |
映画「ロボコップ」が描く近未来のデトロイトでは、市警が財政難に陥って私企業「オムニ」の傘下組織になっています(omnipotentで”全能”の意になります)。
いろいろあって映画の終盤、ロボコップが所属するデトロイト市警の上部組織、オムニ社幹部が悪に手を染めていたことがあきらかになりますが、ロボコップには「オムニの幹部には手が出せない」というプログラミングなされています。
しかし会長による「おまえはクビだ」というの一言で、アメリカらしく瞬間的に会社の人間でなくなったので、ロボコップは彼をためらいなく射殺します。
非常にシニカルなスクリプトが全編に渡って冴えているSFらしいSF映画ですが、その感受されにくい細部のつくりこみと、逆に話題にされやすい残虐なシーンのため、一般的にはあまり精密な評価を受けてはいないようです。
その全編に「資本という神」と「権力という鬼っ子」の関係がユーモアを交えて描かれています。
映画の話はともかく、駐車監視員さんは改正道路交通法のなかで放置車両確認機関と呼ばれる権力の委託を受けた私企業に属する方々です。
ハイコストな公務員さんでなくともこなせる部分を、ローコストの私企業に請け負わせて、おまわりさんには逆に司法警察の本旨に集中してもらおうという趣旨です(私見)。
つまり要は空き交番問題も含め、警察という巨大な機関をどうマネージメントしていくのかというお金の話に集約されます。
駐車監視員の資格を得るための2日間の講習手数料は19000円。
合格者はこれまで約1万人なので、この時点で警察には概算で約2億円の収益があったことになり、不合格者や今後の採用人数を考えれば軽くその倍はまだまだ見込めそうです。
駐車監視員によってコストダウンが図られ、警察官も本来の司法警察の現場に配置されるはずですし、しかも警察には受講手数料による増収も今後確保されていきます。
刑事訴訟法上、司法警察は不要な積極出動を設計されてはいません。
それは「国のために人があった」過去の歴史を反芻し、戦後の刑事訴訟法を「人のために国がある」形に基本形を作り替えているからです(私見)。
確保された余力はきっと司法警察をよりいざというときのために形を研ぐことに使われるはずです。
もしそうでなく、その余力が警察内部に不穏に留保されてしまうなら、鬼っ子が資本原理主義に入信していることの暴露になってしまうのですから。