憲法の26条1項をご覧下さい。
第26条〔教育を受ける権利〕 「1 すべて国民は,法律の定めるところにより,その能力に応じて,ひとしく教育を受ける権利を有する。(以下略)」 |
26条1項は教育を受ける権利を憲法に刻んでいますが、そこには前提として、子供達は皆もともとその可能性を開花させていく権利をもっているのだという考え方が存在します。
そのことを、子供の学習権と呼びます。
最高裁も通称「旭川学テ事件」と呼ばれる判例中で、学習権という観念の存在を認めています。
そしてその学習権を前提に解釈すると、26条1項にいう「教育を受ける権利」とは、子供が能力の発達を保障して、その可能性を発達させるための環境を、国家に要求できる権利なのだと理解できることになります。
ペンシルロケットは1955年、あの糸川英夫博士によって試射された日本のロケット工学に先鞭をつけたものだそうです。
それから約50年たって、たとえ間接的ではあっても、日本の宇宙工学に関する研究は野口さんという温厚なヒーローを送り出し、彼の手によってシャトルで運ばれた国産ロケット第一号、ペンシルロケットという糸川博士の夢は本当に宇宙空間に浮かぶことができました。
成果がでない期間も、それを失敗だと認めることなく、成功するまで続けたならば、体験は全て成功のためのデータ収集だったことに意味を書き換えられます。
それがたとえ50年かかってもです。
しかしそこまでたどり着くには、私たちには自分達の可能性を成功にたどり着くまでの長い旅路の間、ずっと自分を信じ続けることができるための「たっぷりとした自信」という燃料が必要です。
そしてその燃料を私たちにくべるための環境こそ、憲法26条1項「教育を受ける権利」という条文で敷設されるものであり、それを要求せしめる動かさざる根拠が、今も子供達の両手の中にある学習権という権利です。
夢までたどり着いたペンシルロケットと野口さん、早く元気に帰ってきてくださいね。