ドラえもん役だけはいつも行政

ドン・キホーテ社長を公取委聴取 従業員派遣強要容疑 (朝日新聞)

独占禁止法の2条をご覧ください。

2条(定義)

(9)この法律において「不公正な取引方法」とは、次の各号のいずれかに該当する行為であつて、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するものをいう。
一 不当に他の事業者を差別的に取り扱うこと。
二 不当な対価をもつて取引すること。
三 不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること。
四 相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもつて取引すること。
五 自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。
六 自己又は自己が株主若しくは役員である会社と国内において競争関係にある他の事業者とその取引の相手方との取引を不当に妨害し、又は当該事業者が会社である場合において、その会社の株主若しくは役員をその会社の不利益となる行為をするように、不当に誘引し、そそのかし、若しくは強制すること。

独占禁止法は,市場競争を制限したり事業活動を不当に拘束する行為を排除して市場を健全に発達させようという法律です。

最終的受益者たる消費者である私達のための法律ともいえます。

たとえばこれまで判例は、大正製薬が加盟店を拘束するために、割戻金の交付、取引保証金の没収等の不利益を与える規定を規約・約定書に設けていることを不当な差別的取扱いに当たるとしています。

また農協が、乳業会社に出荷している組合員に対し、その生乳の委託販売を受け付けず、資金貸出を拒否し、組合の施設の利用に関して、他の組合員には一般に清算取引を行っているのにかかわらず現金取引を行うことは、事業者団体内の差別取扱いに当たるとした判例もあります(参照:三省堂 模範六法)。

いわば市場からジャイアンを排除する規定です。

ただ一面で、資本主義社会とはもともと、「誰がジャイアンで、だれがスネ夫なのか」をあらそう場所であるともいえます。

だからこそ街にはジャイアンという大口取引先と、スネ夫という出入り業者の関係がありふれて存在することもたしかです。

なぜとりたててドンキホーテばかりがいつもあげつらわれるのか、それがかねてからの行政との衝突によるスケープゴートではない社会的証明も、行政というドラえもんには一方で要求されています。
 

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