古墳から最後に出てきたのは利鞘

「古墳の一部888万円で落札 大阪の国史跡を不動産会社」(共同通信)

民法の256条をご覧ください。

第256条〔共有物の分割請求〕

1 各共有者は何時にても共有物の分割を請求することを得。

事態はこういうことです。

まず古墳の一部が4者の共有でした。

共有者の1人が女性に1億円を借金していました。

女性は古墳に1億円の仮抵当を登記しましたが、市が古墳を守ろうと10億円で購入しました。このとき債務者が勝手に仮登記を抹消していました。

女性が死亡し、相続人が抵当権回復を求めた訴えが認められ仮登記が復活しました。

債務者は連絡が取れなくなり市は二重払いを嫌った為抵当権が実行され競売にかけられたというわけです。

市がのんびり構えたのはどうせ市と共有になるので無茶はできまいと踏んだからだと思いますが、民法上各共有者は,単独で自由に,持分を譲渡することができますし,持分に担保権を設定することができるのでさらにややこしくなる要素は現状で満載です。

共有者は256条によって単独で自由に,共有物分割の訴えを裁判所に提起することができるのです。

すなわち,各共有者は,単独で共有を終了させることができますので、これを市が買い取るほうが結局賢明なのかも知れませんが、これもあくまで落札者の権利でしかありません。

実は今回の競売、意外と一番のうまみがこの辺にあった可能性さえあります。 
 


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