初めに美姫ありき…代表は選考前から決まっていた 渡部絵美さん選考前から“3人”予言 (ZAKZAK)
「渡部さんは、選考前、夕刊フジに「今の実力からすれば、選ばれるべきなのは浅田(真央)、中野(友加里)と、村主か荒川のどちらか。でも、代表は安藤と村主、荒川になるので見ていなさい」と断言していた。なぜか。「日本スケート連盟(JSF)の現状というべきですか。やはり、スポンサーの問題が大きいと思います」代表3選手は、JSFが「親会社」とする日本オリンピック委員会(JOC)が、スポンサーから資金を集めるための「シンボルアスリート」に選ばれている。個人にも大手企業のスポンサーも付いており、「連盟は彼女たちを落とせない」と読んでいたからだ。」
国際スケート連盟の総合規約、108条の2のa)をご覧下さい。
International Skating Union General Regulations (私訳) 「シニアチャンピオンシップや五輪に限っては、前年の7月1日前日までに15歳以上でなければ出場できません」 |
どのような事情があったのか、第六位だった安藤選手は見事代表に選ばれました。
とはいっても、浅田選手が五輪に出られないのは連盟の規約として現に世界中のプレーヤーに向けて公示されていたわけですので、日本スケート連盟の台所事情とは直接の関係はありません。
天才的な彼女の滑りを観た誰しもがその規約と彼女の誕生日の微妙な差ゆえに「そこをなんとかならないのか」といいたくなる気持ちもわかりますが、それが通るならなんのために規約があるのかよくわからなくなります。
選手達は規約を研究し、ギリギリのところで戦って勝利を得ようと4年間を費やすわけで、天才プレイヤーの出現毎にイチイチ文言解釈がころころ変わってしまうなら、他のプレイヤーとしてもやっていられないでしょう。
どのような特殊例があらわれようと、文言の形式性が保たれることは規約の存在意義を再強化するはずです。
なぜならどのような理由で作られたルールであるにせよ、その文言が誰にも公平に予測可能性を提供することこそ、あらゆるルールの核心的な価値であるはずからです。
浅田選手につぎのチャンスが回ってくるのは彼女が19才の時だといいますが、結局その時こそ、ルールを基準に勝敗を決めることを選択した連盟や観客として、彼女に挑戦権を渡すべき真っ当なタイミングなのだと思います。
浅田選手が五輪とスケートの女神に愛されているならば、そのタイミングでこそきっと今よりも魅力的な演技を見せてくれるに違い有りません。