当事者意識で腹を括る真価

15年間無免許、事故で逮捕 川崎の61歳自営業者(産経新聞)

憲法41条をご覧ください.

第41条〔国会の地位,立法権

「国会は,国権の最高機関であって,国の唯一の立法機関である。」

憲法の41条は法律を作る機能を国会だけに与えています。

それは立法権を国民の選挙した代表を構成員とする国会に与えることで国民主権原理を具現化するための一条です。

国民主権原理とは「もう王に自由に生命を左右される世の中はイヤだ」という個々人からの宣言です。当然権利を得た以上、選択の責任も伴います。

齢六十を過ぎた方なら無免許運転を罰するために私たちの代表が作った法があることは十分承知していたはずです。

また大きな重量物である車が人にぶつかればただではすまないこと自体はこれまで見聞きしてきた経験や知識の中で知っていたことでしょう。

ハンドルを握るものなら誰もが加害者になってしまう確率も相当高いことも、皆が任意保険に加入し一生懸命保険料を支払っていることでわかります。

ではどんな理由で横断歩道を渡っていた主婦はこの初老の男性によって重傷を負う嵌めになったのでしょう。

思うに彼に足りなかったものは当事者意識ではなかったでしょうか。

ここでいう当事者意識とは、法律の存続には自分も間接的に同意を与えていることや、自分自身が無免許の運転者という危険な存在にあばらを折られたとしたらたまらないこと、また、自分が生まれてから死ぬまでに事故というものを起こす確率が明々存在することなどを意味します。

それらの当事者意識を彼は 61歳になるまで飲み込むことができていなかったのです。

当事者意識で腹を括ることの真価は、自分の支配権を他人に与えないところにあります。

換言すれば夢から覚めることです。
 

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