人は火事場で身をさらす

電車にはねられ2人死亡 線路に転落、救助の同僚も(産経新聞)

「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律」の2条2項をご覧ください。

第二条 (国及び都道府県の責任)

「2 前項の場合のほか、水難、山岳における遭難、交通事故その他の変事により人の生命に危険が及び又は危険が及ぼうとしている場合に、自ら危難をかえりみず、職務によらないで人命の救助に当たつた者がそのため災害を受けたときも同様とする。 」

犯人逮捕や人命救助に協力して死亡した本当の勇気ある人がいた場合、国や地方は2条2項により給付金を支払う義務を負います。

大切な人をなくされた家族の方々にはお金は代わりにはもちろんなりませんが、我々の社会から敬意を込めてせめてものお支払いをするわけです。

鉄道営業法第37条には「停車場其の他鉄道地内に妄に立入りたる者は10円以下の科料に処す」と定められています。

しかし現実に目の前で同僚が落ちた時37条はただの活字の羅列に変わり、人は究極の選択を迫られます。

迫り来る電車を前にして、私たちのなかからいったいどれくらいの人が利他的な行動をとれるのでしょう。

「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律」の2条2項が本法施行以来53年で東京都では30人程度しか適用されていないという事実が、その答えを静かに物語っています。
 

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