海賊と、態度としての海難保険

解放の船長「元気です」 水面下で交渉か 海賊事件(産経新聞)

刑法の1条をご覧ください。

第1条(国内犯)

1 この法律は,日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。

2 日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても,前項と同様とする。

刑法の1条2項は、旗国主義を表すといわれます。

旗国主義とは、国外を航行中の自国の船舶または航空機内で行われた犯罪について、日本の刑法を適用しますよという考え方のことです。

よって国外にいる日本の船や日本の飛行機内で行われた犯罪については、わが国の刑法が適用されることになります。

今回の海賊事件では、刑法で旗国主義をうたっている国の国民を、しかも日本籍の船から略取誘拐しています。

そうである以上、海外での出来事とはいえ、日本としては自国の刑法を海賊たちに及ぼすと行動で宣言することは国際協調主義となんら相反するものではありません。

実際の作業としては犯人の引渡し条約がなければ協議によることになると思います。

しかしこういった事件が頻発したのでは、わが国の財政が継続的に圧迫される危険もあります。

典型例において一定程度の態度を示すことが実質的な海難保険になるのではないかと考えます。
 

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