ワニを飲み込めなかったニシキヘビと資本の自己増殖本能

ワニとニシキヘビの「死闘」、双方死ぬ フロリダ(CNN 2005/10/06)
東南アジアを中心とした地域が原産のビルマニシキヘビは、本来はフロリダ州南部には生息していない。しかし、ペットとしてビルマニシキヘビを飼っていた人々が、国立公園内に放しに来る例が後を絶たない。」

商法の514条をご覧下さい。

第514条〔商事法定利率〕

「商行為に因りて生したる債務に関しては法定利率は年6分とす」 

わたしたちの社会は、それぞれの持つ価値を「お金」という”国家の保障する数字”に封じ込めることで交換し、新陳代謝を繰り返しています。

しかもその数字は紙切れやコインに化体されているため、魚や肉のように腐ってしまうこともなく、いつまでも価値を保存してくれます。

そうすると本来エネルギーの媒体でしかなかったその紙切れやコインは、それをもてあますほど保有した人から、必要としている人へ向けて時間と場所を越えて融通されることが可能になります。

そしてエネルギー交換媒体が誰かから貸してもらえる社会では、自分だけの媒体を得るために他人から媒体の固まりを戦略的、つまりビジネスとして用意することが可能です。

そのためにお金を融通する人に与えられる報償が”金利”という名の新たな媒体であり、日本ではビジネス上融通されたお金には、商法上年6%の金利が法定されています。

お金という国家が保障する媒体から、金利という翼が生えてきたとき、”媒体自身がふくらむために媒体が走り回る”という資本主義理論が確立していくのです。

外国産の動物が国内の生態系を破壊するというある種、倫理的な表現がありますが、生態系ピラミッドの頂点に人間がいる以上、動植物を地表上のいずれかに移動させてしまうかは人間の気分次第になってしまうことは本来とめようがありません。

しかしより根元的動機を探ってみれば、ビルマニシキヘビがフロリダに輸入されてくるは、顧客がペットショップにお金を払うからであり、ペットショップは銀行からお金を借りられているからこそ設立されており、しかも銀行がお金を貸したのはペットショップが金利を上乗せして返してくれ、資本を太らせてくれるからにほかなりません。

結局落ち着いて眺めてみれば、それは個人の思惑を超えて自ら際限なく太ろうとする資本という存在そのものの仕事だともいえます。

なんなら生態系ピラミッドの頂点は人間ではなく、資本という名の最強の”観念”が座っており、資本の意思にこそ地表の行方が握られているとさえいいかえることが可能です(私見)。

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