保険業法施行規則が除外する善意の提供者

51歳から54歳に拡大/骨髄バンクの登録年齢の上限(秋田魁新報社)

保険業法施行規則の第4条をご覧下さい。

第4条(疾病に類する事由)

「法第3条第4項第2号ニに規定する総理府令で定める事由は、次に掲げる事由とする。
一 出産及びこれを原因とする人の状態
二 老衰を直接の原因とする常時の介護を要する身体の状態」 

骨髄とは、わたしたちの胸や腰の骨の内側に存在する、ゼリーのようなやわらかい組織のことです。

その骨髄には血を作る機能をもったものがありますが、その機能が正常に働かない場合、未熟な白血球が異常に増えてしまう場合があります。

白血病とは、そういった状態の血液の癌のことです。

(癌とは異常細胞の増殖のことです。)

骨髄移植とは、誰かから提供された正常な骨髄を患者に移植して、正しい造血機能の回復を試みる治療法のことです。

そして骨髄バンクとは、骨髄移植を待つ患者の登録データと、白血球の型が適合する骨髄をもつ健康な人の登録データのマッチングを扱う組織であり、提供者と患者の相性があったときにこの仲介を行います。

ドナー登録が始まったのが1992年。

映画「世界の中心で、愛をさけぶ」、いわゆる”セカチュー”のヒロインが冒されてしまう難病が白血病ですが、舞台設定当時の1986年当時には骨髄バンクがなかったため、治療の甲斐なく彼女は死んでしまいます。

現在では運営されている骨髄バンクですが、保険業法施行規則はその第 4条で「疾病や傷害に類する、内閣府令で定める例外」として出産関係と老衰介護関係だけを保険の対象としているため、骨髄提供者が受ける骨髄採取手術に対しては保険が下りません。

提供者はあくまで健康な人だからです。

このためコスト高に苦しむ関係者からは、早く「骨髄提供」という項目が保険業法施行規則 4条に追加され、骨髄提供に保険が下りるようになり骨髄バンクの運営がよりスムーズになることが望まれています。

映画で言う「世界の中心」とは、具象的にはオーストラリアの先住民族にとってのひとつの神聖な場所をいいますが、暗喩としては極内面的なもののことをいっているのかもしれません。

パリの度量衡万国中央局には世界の計量を司るメートル原器とキログラム原器が厳重に保存されています。

もし私が今思っているものが、作者の描いた「世界の中心」がなのだとしたら、そこにはルールのゆがみを矯正する”幸福原器”が保存されているはずです。

法理メール?