外為法の7条3項をご覧ください。
外国為替及び外国貿易法 第7条3項(外国為替相場) |
1971年まで、一ドルはいつでもアメリカが金35オンスと交換することを保障していました。
しかしその8月15日、ニクソンは突如その保障をやめることを世界に宣言します。
世界はアメリカの保障を信じてせっせとドルを溜め込んでいましたので脂汗を流しました。しかし世界一の腕っ節を持ったアメリカという番長が刷るお金が一番安定しているのは変わりません。
これを受けて主要国通貨は1973年以降、すべて変動相場制に移行しましたが、アメリカが保障しない以上、各国政府が世界の経済安定を肩代わりしなければなりません。
わが国では外為法が為替取引を原則自由としながらも、7条3項等で一定程度日銀の介入を認め、これに貢献しています。
基軸通貨には世界のお金が集まります。このためアメリカはニクションショック以降、基軸通貨ではあるが責任はとらないという、もっともおいしい立場にたっています。
アメリカはいくら内情が赤字であろうと輪転機さえ景気よく回せばすべてがチャラになる、いわば他の国がアメリカの台所を支えている構図にあるのです。
しかしここにきてライバルユーロが台頭してきたことが今のアメリカを心理的に追い詰めています。
イラクや北朝鮮がユーロを基軸通貨にすると発表した途端、ブッシュに「悪の枢軸」と決定されました。
アメリカは中国がユーロに支配される前になんとしてもドルの傘下に収めたい算段です。
かつて1ドルは360円で固定されており、日本は自動車を輸出するたびに大変な利益をあげ、ドルの地位を脅かしましたが金本位制の廃止により日本へ富が流れる構図は切断、ドルが強さを取り戻しました。
そして今日同じ選択を中国に突きつけています。
アメリカは常に自国の輪転機が黄金色から退色していくことだけを恐れています。