法律にトリセツあり

駐輪スペース、4月から歩道上にも可能に 道路法改正(読売新聞)
道路法の第32条をご覧ください。

32条(道路の占用の許可)

「道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない(以下略)。」

道路法1条によれば、道路法の趣旨は交通を発達させ、公共の福祉を増進させることにあります。

(意訳:みんなのためになるよう道路を使おう)

32条を厳密に行使しますと、歩道上に大量に商品展開している薬局やたこ焼きやさんの屋台やハンドマッサージ店の看板も無許可では許されなくなります。

(そのため渋谷の歩道上にはたくさんの看板を体にぶら下げたおじさんが立っています)

しかし当該法律の立法趣旨が「公共の福祉」(みんなのため)であるなら、たとえその状態が条文上は違法な状態であっても、たくさん薬局の商品を見れることが多数人の生活に資するなら、無許可での占有に条文適用を猶予する余地が想定できます。

そういった条文の解釈法を”立法趣旨からたどる”などといいます。

条文は所詮日本語でしかありません。

そうであれば時代とともにその文言や意図する内容そのものの時間的劣化は避けられません。

しかし法律は言葉で書くことにまた意義があることも事実です。

誰もが公平に基準を照会するには成文を起しておくのがもっとも明らかだからです。

この矛盾を解消するためには条文の言葉尻にとらわれたりいたずらにもてあそぶことなく、起草者が守ろうとした法益や方向を捉えつづける必要があります。

ひとつの時代にコトバで起草された法律を、自分の時代に適切に解釈して適用させていくこと、それが立法趣旨からたどるという法の取説です。



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