「UFJ銀行はインターネット経由で手形割引を申し込めるサービスを始めた。利用者は手形をあらかじめ銀行に持ち込んで、電子データとして登録しておき、必要な時にネット上で割引を申し込む。これまでは手形一枚一枚について手書きで書類をまとめる必要があり、手続きが煩雑だった。」
下請代金支払遅延等防止法の4条2項第2号をご覧下さい。
第4条(親事業者の遵守事項) 2 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号に掲げる行為をすることによつて、下請事業者の利益を不当に害してはならない。 二 下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。 |
手形割引とは、満期のまだ来ていない手形を、割引人、この場合UFJに裏書し、手形金額から満期までの利息と諸費用を差し引いた金額を受け取ることをいいます。
商人にとって現金を手元に置いておくことはもっとも避けたい(回転させてお金を働かせたい)事態です。
このため多少損をしても現金に換えたほうが有利であり、手形の割引は活用されていますが、割引困難な手形を受け取ってしまった下請け企業にはそれさえも許されませんので、下請代金支払遅延等防止法の4条2項第2号がこれを禁じています。
手形はそもそも12世紀頃イタリア商人たちの間でおこったものだそうです。
遠隔地間の商取引での現金移動の危険性を担保する目的で生み出されたといいます。
しかし現在ではその役割は電話線とコンピュータが十二分に代替できています。
それだけでなく、ビジネスとは、時間利益の確保の争いとも言い換えることができるわけで、手形の現金化のスピード、そしてその事務手続きのスピードをあげることはお金を儲けることとイコールでつながります。
UFJのサービスはここに供するものです。
廃れ行く手形と浸透するインターネット、端境期にできた一瞬の漁場だともいえます。