三社祭の神輿担ぎ手集団、代表の7割は組員 警視庁調べ(朝日新聞)
「東京・浅草の三社祭で、「同好会」と呼ばれる神輿(みこし)の担ぎ手の集団が三十数団体あり、そのうち約7割は代表者が暴力団組員であることが警視庁の調べでわかった。5月の三社祭で神輿に乗ったなどとして逮捕された同好会会員の1人は「暴力団に10万円を払って神輿に乗った」と供述。別の会員が「半纏(はんてん)は同好会から1日2万円で借りた」と話していることも判明した。」
暴対法の9条各号をご覧ください。
9条 「指定暴力団等の暴力団員は、その者の所属する指定暴力団等又はその系列上位指定暴力団等の威力を示して次に掲げる行為をしてはならない。 (以下要約) |
暴対法2条によれば、暴力団とは「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」をいうと定義されています。
(そしてそう定義したことが、暴対法第一の意義でもあります)
民事介入暴力とは、暴力団がその象徴である代紋などを示すことで一般人の恐怖心を呼び出し、利用して市民生活や経済取引に不当に介入することです。
そうした理不尽と戦うため、暴対法が平成3年に制定されています。
暴対法9条は民事介入暴力の典型15類型を定め、刑罰の対象としています。
もし地元のお祭りで不当な要求を受けた場合、警察や弁護士会の民事介入暴力対策委員会、都道府県の暴力団追放運動推進センターなどに相談すれば、暴対法に基づき中止命令などを発してもらうことができます。
迅速な発令のためには相手方の氏名、所属団体や交渉内容などの記録が必要です。(以上参照:民事介入暴力の法律相談 第一東京弁護士会民事介入暴力対策委員会編)
ところで暴対法は、その10条で「一般人が暴力団を利用すること」も禁止しています。
それは暴対法を裏側から強化する非常に重要な一文です。
ハイデガーも”存在”と”存在者”を厳しく区別せよといっているように、観察する側が観察態度を変えれば、対象の”存在”のしかたは変わらざるを得ません。
暴対法10条は、民事介入暴力というぬぐえない病理の根本原因をわたしたちに問い質しています。(私見)