居を分けてかげろうを忘れよう

中村獅童と竹内結子が「離婚」(Yahoo)
複数の関係者によると、2人は今夏以降、ほとんど顔を合わせたことがないとされる。竹内は、独身時代から所有していた都内のマンションを結婚当初はトランクルームのように使ってきたが、9月ごろから長男を連れてそこで生活を始めた。2人の愛の巣である都内のマンションは高層で、子供には危険なこともあるとの判断から、自由に遊べる公園が近くにある、この“別宅”を選んだ。獅童が仕事で多忙なため、事実上の別居状態になっていたが、双方の周辺も、この段階では「夫婦間に目に見えるような亀裂はなかった。仲は良かったはず」としている。しかし、家族3人のために良かれと選択したこの“別居”が、皮肉なことに2人の精神的なつながりをも遠ざけていく結果となってしまったようだ。」

民法の752条をご覧下さい。

第752条〔同居・協力・扶助義務〕

「夫婦は同居し,互に協力し扶助しなければならない。」

民法752条にいう、夫婦が同一の場所に居住して生活をともにする法律上の義務の
ことを夫婦同居義務といいます。

それは夫婦間の協力義務の基本となるものです。

一方が同居に応じないときは,同居請求もすることができます。

しかし当然ですが、その強制を国家が執行することはできません。

では、お互いの主義として同居をしない「別居結婚」を選択した夫婦の合意は、民法752条を前にして無効となるのでしょうか?

これについて、かつて我妻栄博士は「判例評釈」の中で「夫婦の間に同居すべき場所についての協議があったかどうかの問題を含めて、どこが同居に適当な場所か、そこに同居すべき旨を命ずべきかどうかなど一切は、家裁の専権的・終局的判断(審判)に従うべきもの」だと述べられています。

同居の義務を形式性で推し量るには、結婚の本質はあまりにもやわらかいのです。

その制度から法律の衣を引きはがせば、一人の女性と男性が偶然出会い、いつかお互いを幸福にしたいと思ったというかげろうだけが残ります。

もっとも尊く、同時に脆いそのかげろうが維持できなくなれば、あとは親権や財産処理を法に規定してもらう、他人同士に戻るしかないのです。