家庭を破壊するため税金をJRに支払おう

不倫した細野「議員パスで入場しましたが…」 (zakzak)
「美人キャスターとの不倫旅行に、議員特権である「JR無料パス」を使用した疑惑が浮上している細野豪志衆院議員(35)=写真=は5日までに、「議員パスで入場しましたが、別途乗車券を購入しており、それを使用しております」などとするコメントを文書で配布した。細野氏はスキャンダル発覚当初、無料パスについて「一切使用していない。(天地)神明に誓ってこれは事実です」と語っていたが、夕刊フジの取材で、無料パスを使用して改札を通った事実が判明した。今回のコメントでは、家族旅行をする場合も「改札を通る時、議員パスを使用する時はあります」と説明している。だが、乗車券を購入しているのなら、なぜ改札を通る時に無料パスを使う必要があるのかなど、疑問は深まるばかりだ。」

歳費法の10条をご覧下さい。

国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律

第十条  

「各議院の議長、副議長及び議員は、その職務の遂行に資するため、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律第一条第一項に規定する旅客会社及び旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律 の一部を改正する法律附則第二条第一項 に規定する新会社の鉄道及び自動車に運賃及び料金を支払うことなく乗ることができる特殊乗車券の交付を受け、又はこれに代えて若しくはこれと併せて両議院の議長が協議して定める航空法第百二条第一項 に規定する本邦航空運送事業者が経営する同法第二条第十九項 に規定する国内定期航空運送事業に係る航空券の交付を受ける。」 

無賃乗車券は、明治31年に施政方針が決まらず帝国議会を開会できなかった山県内閣が全議員を一旦大阪で行われている陸軍の特別大演習に向かわせ開院式を先延ばしにするため初めて議員に発行されています。

実際、政府はその作戦で招集日から開院式まで27日間を稼ぐことに成功しました。

続く明治39年、政府は鉄道を国有化する法案を議会に提出、法案は成立し、これと交換のように無賃乗車証を議員に発行しました。

その後も無賃乗車証は国会議員どころか新聞通信社等へも発行され、行財政改革の声の下大正14年には一切の無賃乗車証の廃止を打ち出します。

しかし対抗する議員側はこれを機に同年3月議院法19条の2を新設、魔法の切符に法的根拠を与えました。

このようにひょんな事から生まれた国会議員の特殊乗車券は、現在は歳費法10条を根拠条文に予算を投入されることになっています。

その額は平成14年で航空機に5億6332万6千円、JRには4億9763万3千円。

JRへの金額は旧国鉄時代のおおよその概算を元に算出した負担予定額を、国がJRに一括前払いするものです。

つまり実際に各議員がどういう目的でいつどこまでJRを利用したのかは、追求する術がいまのところありません。

もし公正を期すためには、英米のように事務所経費、文書通信費、備品・消耗品費なども含んだ職務手当を支給し、その支給にはレシート等を添付した申請書を要求するようにすればよいのみです。

(以上参照:政策秘書が書く国会議員改革 白崎勇人 長崎出版

歳費法10条が廃案にされていない趣旨は、当然わたしたちの要望を代表する人(国会議員)によりよく働いてもらうために他なりません。

細野議員が「その部分は国会議員としての根幹に関わる」と特殊乗車券の私的流用を自ら全面否定するには理由があるというわけです。

彼は自身のHPで「最大の原因は、私の中の「おごり」であった」という謝罪を発表、大衆の一歩先をいく言葉でくさびを打つエリートらしい利発な対応を見せています。

しかし「全くJR無料パスは使っていない」という証言が「入場の時だけしか使っていない」という言葉に変わるに至り、事が道義上の追求では収まらない範囲に足を踏み出しはじめているのは歳費法10条の趣旨から明らかです。

国が、すなわちわたしやあなたが税金で前払いした国会議員の交通費は2005年度になると衆参あわせて12億310万5千円。

議員の鉄道乗車証には、提示する人の身分がすぐわかるように国会議事堂の絵が描かれています。

その乗車証の使い道を領収書で把握するシステムにしていないのは、わたしやあなたが国会に集う人たちを全てその言説どおりの人たちだと信頼するという思想によるにすぎません。