ミカドアゲハを捕らえたら

医師「親王さまです」 秋篠宮さま淡々と「ありがとう」朝日新聞
「皇太子さまも、秋篠宮さまから直接、出産の報告を受けた。「ご無事のご出産おめでとう。両殿下も親王殿下もお体をお大切に」と伝えたという。 関係者は、紀子さまの懐妊後、雅子さまが明るい表情を見せることが増えた、と証言する。病状の深刻さが取りざたされた数年前。雅子さまは体調の波が激しく、気分の浮き沈みも目立ったという。外出に付き添う関係者は、「雅子さまが姿を見せるまでご様子が分からず、緊張を強いられることもあった」と振り返る。」

文化財保護法の第109条2項をご覧下さい。

第109条

「2 文部科学大臣は、前項の規定により指定された史跡名勝天然記念物のうち特に重要なものを特別史跡特別名勝又は特別天然記念物に指定することができる。」 

発見者が明治天皇に献上した時、名前を付けられた蝶がいます。

その名をミカドアゲハ。

黒地に淡い黄、あるいは青の斑紋上の帯が美しいその蝶は、神社の神木を好んで食餌とし、かつてはその個体数もわずかでした。

そこで文化財保護法は、ミカドアゲハを蝶としては珍しく特別天然記念物に指定しています。

よってあなたやわたしにはもしこの美しい蝶を見かけたとしても、採取することは個体数が増えた今でも許されていません。

蝶といえどもその個体が非常に貴重な存在であれば、国家がその自由な採取を許可しないというのが天然記念物という考え方です。

自然の中にさりげなく存在する宝を法で隔離する、それが文化財保護法の第109条2項のいう特別天然記念物だとも言い換えられます。

ただし109条の立法を冷静に見つめれば、それは同時に人間にとって珍しくも美しく羽ばたく蝶を籠に収めてしまうことなどわけもないのだという現実を裏書きもしています。

つまりいったんその蝶が籠に入れられてしまえば、もはやその事実の前にはいかに文化財保護法といえども無力なのです。

たとえばあなたもこれまでまさか蝶に特別天然記念物があるなどとしらず、無邪気にミカドアゲハを捕まえてしまった日が実はあったかもしれません。

そうなれば蝶からは特別天然記念物という法の鎧は剥がれ、ただかつて自由に羽ばたいた森を想うしか術がありません。

発見当時とは異なり、今やミカドアゲハも決して珍しい存在ではなくなったのだといいます。

しかし状況が変わろうとも蝶が堅牢な籠の中で羽を痛めることに代わりはありません。

心ある愛蝶家には世間の評価を離れた価値観を持って、運命の蝶と幸福な時間を過ごす決心が必要とされています。