野球の権力国とすり抜けたタイトル

Team of Rising Sun leaves Classic as No. 1 (WBC)
「Its back to the wall in Round 2, Japan rallied to advance, and now it can claim the title of World Baseball Classic champion. 」

(私訳)
日出ずる国のチームがNo1の先史を残した
「ラウンド2で生還したジャパンチームは、今ワールドベースボールクラッシックチャンピオンのタイトルを手にした。」

ワールドベースボールクラッシック規則の第一文をご覧下さい。

World Baseball Classic announces rules and rule modifications

「The World Baseball Classic, Inc. (WBCI) announced today the rules for play for the inaugural World Baseball Classic. The tournament, which will be played under the Official Rules of Major League Baseball and will include the use of a designated hitter, will feature the following rules: 」

(私訳)

ワールドベースボールクラッシック規則及び修正規則

「WBCIは以下の通り規則および支配修正を発表する。メジャーリーグの公式ルール下で行われる、本WBCトーナメントは以下の規則を特色とする。(以下略)」 

国際大会は、ルール、運営に一国の恣意性が出るようでは発展性は望めません。

やはり本来サッカーでいうFIFAのように、国際野球連盟(IBAF)が運営することが形式上もっとも公平です。

しかし肝心のメジャーリーグ協会がIBAFに加盟していない現状では、その主催は世界 No1の称号の実質性が疑わしくなります。

そこで野球の世界大会は、どうしてもアメリカによる組織が主催することになります。

事実ワールドベースボールクラッシック第一回は、WBCIという組織によって運営されましたが、そのWBCIはほかならぬメジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会で作った組織のようです。

本大会規約も文言通りWBCIが作成しており、多くのルールがメジャーリーグから引用されました。

次に日程もアメリカだけが休養をとれるように組まれ、また審判団もほぼアメリカ人による構成で、他国からの審判は各一名づつにとどまりました。

またアメリカが自ら組んだトーナメントB組には、他に南アフリカ、メキシコ、カナダだけが存在しました。

その上これを勝ち進んでいたとして、勝ち上がってくるA組の組み合わせとは中国、台湾、日本、韓国。

そして準決勝は、このA組対B組で行われたため、ドミニカやキューバプエルトリコベネズエラなど強豪国らが押し込まれたC組、D組からの勝者とは、アメリカは準決勝はおろか、決勝になるまで当たらないしくみになっていました。

しかし過去の戦歴を別として、韓国を下した日のコンディションの王ジャパン、そしてキューバを堂々ダブルスコアで一度も逆転されることなく下した今日のコンディションの王ジャパンは、文字通り世界一の実力を明らかにしました。

アメリカはそういう日本、そしてアメリカを負かしたメキシコ、あるいは真の強豪韓国を安く読み、自らと同じラウンドに組み入れたという自らの策に足を絡め取られてしまったのだと、今となってはいえるのです。

この問題の解消が図られるまで、WBCのルールは真の意味での国際ルールとは呼べないことを承知の上で、野球を愛する人達が世界中から第二回WBCに挑むことになります。

全ては野球を愛するがためです。

困難な状況のなか、ついに優勝まで勝ち進んだ王ジャパンがチャンピオンというタイトルを奪取したことは、決して解消されないジレンマをはさんだ参加国と主催国のどちらに向けても、強烈なインパクトを残したはずです。