感情が収められた書庫を歩こう

「人の脳のように」テキスト解析するソフト(ITmedia)
NTTデータはこのほど、大量の日本語テキストから有用な情報をだけを抽出し、意味を解析できるというツール「なずき」を発売した。顧客から寄せられた意見などのテキスト文章を解析し、何に対してどのような印象を受けているかを分析できる。例えば、「A化粧品を使うと肌がしっとりスベスベになった」という文章なら、「対象=A化粧品、評価=良、感性=賞賛」と分析する。ブログやネット掲示板の書き込み、メール文章の解析も可能。誹謗中傷の監視や、情報漏えいの防止にも役立つとしている。「なずき」は人間の脳の古称。人間のように、テキストに含まれる感情や意図などを理解し、適切に処理できるという意味を込めたという。」

著作権法の2条1項をご覧下さい。

第2条(定義) 

「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。(以下略)」 

著作権法は内心に浮かんだ形を法律で保護する点では特許法などと同一ですが、独創的なアイディアである必要がありません。

著作権法2条は感情や思想の表現をも著作物としており、ただの心の形を記述した文章などをも保護することが仕事の法律です。

一個の人間の内側から放たれた文芸や映画、美術などは、それが優れたものであるとき、どのような行政の仕事より力強く社会の形に変革をもたらします。

前頭葉で考えたものは如何様な優れた企画であっても、還元すれば企画者による一片の世界観にしかなりえません。

そこには間違いが混入する可能性が常につきまといます。

しかし衝動を原因として、人間内部からの振動が著作に載せられるときには、時に私たち全員の形を、より全うに発展させる指針にさえなりえます。

チェット・ベイカーの歌声や、ピカビアの残した油絵が、個人的に現在の私の形に疑問と脅迫を続けてくれるのも、それが彼ら個人の内部から伝えられた極プライベートな振動の記録であるからにほかなりません。

そしてそういった優れた作品を後生に正しく伝えるためには、社会を利益を直接もたらす発明でもなんでもない、ただの心の記録をも生まれた瞬間に法律で保護することが必要です。

なぜならそれが振動を正確に後生に伝達させ、また著作者への正しく利益を還流することで新たなプライベートな、より真実を暗喩する振動の形が社会にもたらすことを機構として保障するからです。

NTTの新解析ソフト「なずき」は、従来計算機には判別することのできなかった人間のプライベートな感触の記録部分をもデータベースとして抽出することを可能にしたといいます。

個人的感情の記録の集積は、用い方次第で社会に新しい形を与えてくれるかもしれません。
 

 
法理メール?