条約で宇宙のカウボーイを援護せよ

野口聡一さん宇宙へ シャトル打ち上げ成功 (産経新聞)

「米航空宇宙局(NASA)は米東部夏時間26日午前10時39分(日本時間同日午後11時39分)、日本人飛行士、野口聡一(のぐち・そういち)さん(40)が搭乗するスペースシャトルディスカバリー」をフロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げた。」

宇宙条約の第6条をご覧下さい。

Treaty on principles governing the activities and states in the exploration and use of outer space, including moon and other celestial bodies

Article VI

「States Parties to the Treaty shall bear international responsibility for national activities in outer space, including the moon and other celestial bodies, whether such activities are carried on by governmental agencies or by non-governmental entities, and for assuring that national activities are carried out in conformity with the provisions set forth in the present Treaty. 」

月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約

第六条【国家の責任】

「条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間における自国の活動について、それが政府機関によつて行われるか非政府団体によつて行われるかを問わず、国際的責任を有し、自国の活動がこの条約の規定に従つて行われることを確保する国際的責任を有する。(以下略) 」 JAXAホームページより

今から約50年前、ソビエト連邦は初の人工衛星打ち上げに成功、宇宙は国際世界にとってプロパティ(領域)としての現実性を突然帯びることになりました。

そこで国連は適正・公平な宇宙利用を規定すべく、1966年「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」、通称、宇宙条約を速やかに採択しました。

その後宇宙空間を巡っては宇宙ステーションのための「宇宙基地協定」など、さまざまな立法がなされていますが、宇宙条約は、宇宙を法で規定する最初の基本的な法律になっています。

本来、地上では、国家は私人の行為に直接は国際責任を負いません。

しかし宇宙活動に関しては宇宙条約6条により、国際法上の上記一般原則を排除して、国家が責任を取ることになっています。

これを国家への責任集中の原則と呼びます。

このことで上空で勝手に作業される他国を保護できるほか、燃える船にのる勇気あるカウボーイ達の活動も各国による宇宙条約締結で厚く援護射撃されているといえます。

野口さんはやっと夢がかない、今、大気圏の外でお仕事中ですが、たとえ船外でスパナを地球に向かって落としても、宇宙条約6条で国家が責任をとってくれます(燃え尽きますけど)。

私たちが宇宙船からこの目で青い地球を見られる日のために、音のない荒野でかっこいい仕事をして元気で帰ってきてください。
 

 
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