サッカー選手のストレスと自由の果ての味

ストレス、不安に悩む「不幸せ者」、サッカー選手調査(CNN)

「ローマ(ロイター) 金持ちで、高級車を乗り回し、美しい女性とデートするなどのイメージが強いサッカー選手だが、イタリアの調査機関「Eta Meta」は、選手は多くの不安や悩みを抱える「不幸せ者」である、との調査結果を発表した。」

アメリカ独立宣言、第二文をご覧下さい。

The Declaration of Independence of the 13 United States of America, in General Congress Assembled

「We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal,that they are endowed by their Creator with certain unalienable rights,that among these are life, liberty and the pursuit of happiness. 

(私訳)
俺たちは次の真実を自明であると主張する。俺たちはみな等しく作られている。天地を創った人によって、皆平等に譲渡不可能な権利が与えられている。そしてその中には、生命、自由および幸福の追求が含まれている。」
 

独立宣言の6年前、イギリス軍がボストン入植者に発砲したボストンの殺戮があり、、3年前、ボストン港に停泊していたイギリスの東インド会社貿易船は、ボストン市民によっておそわれ、大量の紅茶が海の藻屑に消えました。

これに怒ったイギリス国王は艦隊によりボストンを封鎖、対して入植者たちの代表はフィラデルフィアにひそかに集結、13の植民地代表がはじめて大陸会議を開き、イギリスから独立した政治を行おうと決議しました。

大陸会議からバージニアに帰った代表者、パトリック・ヘンリーは、イギリスとの戦争に尻込みするバージニアの議員達に対し、「自由を,しからずんば死を」という有名な演説をぶち、自由とは人の生に不可欠な準備であることを呼びかけます。

やがて入植者とイギリス軍の間に戦火が起こり、1776年ジェファーソンが書いた独立宣言が大陸会議で認められ、7月4日に世界中に発表されました。

この時をもって植民地だった13の州はアメリカ合衆国となり、7月4日は独立記念日となりましたが、自由を勝ち取るための本当の死の闘争はそこからはじまりました。

アメリカ軍は少ない物資と軍資金に苦しみながら戦うことを余儀なくされ、文字通りたくさんの死を星条旗の下に並べましたが、5年間の流血のあと辛くもフランスとアメリカが同盟を結ぶことに成功し、イギリス軍はとうとう白旗を揚げました。

こうして私たちは、世界ではじめて王や貴族でない民衆が政治を決める国が誕生した背景に、自由のために命を投げ出した無数の名もない入植者たちの決意を見ることができるのです。

独立宣言第二文を俗に「幸福追求権」と呼び、私たちの憲法も13条で独立宣言と同じように「生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利」という文言を用いてこれを保証しています。

私たちの国のルールにこれが書かれたのが今から約60年前で、その憲法は、今から約230年前に「自由なければ生なし」として生まれた国アメリカとの戦争に破れたことによってもたらされたものです。

そして現在では幸福追求権という概念は私たちの国でも、人権が各時代の問題により不当に軋轢を受けたとき、その障害を除く根拠として、形無き条文としての機能を遺憾なく発揮しています。

イタリアのサッカー選手の全てが、幸福感に決して満たされているわけではないという調査は、それでも彼らがサッカー選手になるという幸福の追求をできてきた果ての味わいであることに注意が必要です。

それはもし彼らがムッソリーニによって無理矢理戦闘機に乗せられていたならば、決して味わうことの出来なかった自由の果ての味なのです。

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