人魚が法廷に立つ日

ジュゴン、原告OK 沖縄の米基地訴訟で連邦地裁が認定(朝日新聞)

行政事件訴訟法の第9条をご覧ください。

第9条(原告適格

「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴えは、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。」

原告適格者とは本案判決で保護されるべき法的利益の帰属主体のことです。

(意訳:裁判所でプンプン怒る資格のある人です。)

戦争に負けるまでの憲法では、特別裁判所が認められていました。

特別裁とは皇室や軍に関する裁判を一般の司法理論とは別世界の考え方で裁く場所のことです。つまり軍人にあなたのお父さんが突然切り殺されたとしても、特別裁がある限り軍人が無罪になる可能性が認められていたのです。

しかしデモクラシーの直接注射によりこの島に存在する人たちは皆同じルールで裁かれるのが正常なのだということになりました。

これを憲法76条2項、特別裁判所禁止の理論といいます。

これを採用する日本でもアメリカでも、行政作用による効果の法的評価は一般法廷で平等に審議されることになります。

そしてそのためにあまりにもあちこちから行政の仕事に対する訴訟が起こることを防ごうと、原告となる資格に絞りをかけた条文が行訴法の9条だと考えられます(私見)。

デモクラシーの卸問屋、アメリカにおいてジュゴン原告適格が認められたのは卸問屋の面子がかかった所作だといえます。

それは正義の間接表現です。

しかしこれから始まるジュゴンラムズフェルドの訴訟手続きにおいて表現されていく正義もファンダメンタルなものである保障はどこにもなく、投下された原子爆弾と同じく星条旗印の製品であることには注意が必要です。
 

法理メール?