商いは幸福を食べて大きくなる

三菱地所社長ら書類送検 「大阪アメニティパーク」汚染隠し(産経新聞)
「OAPレジデンスタワー売買契約の重要事項を説明した際、敷地が旧三菱金属大阪製錬所跡地であることや、土壌や地下水からヒ素セレンなど汚染物質が検出されたことを故意に隠した疑い。」

宅地建物取引業法の第47条をご覧ください。

第47条(業務に関する禁止事項)

宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
 1.重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
 2.不当に高額の報酬を要求する行為
 3.手附について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為」

宅建業法は、購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化が目的の法律です(1条)。

責任者による記者会見によると、土壌汚染を重要事項だとは思わなかったのだそうですが、そうだとすれば宅建業法の立法趣旨は当該企業に完全にナメられていることになります。

しかも汚染物質はなんのことはない自分のところの旧製錬所が長年地中に染み込ませた物なのだとか。

このセットプレーは、商法の範疇にはいる行動なのでしょうか?

商いの本旨にそえば、それによって社会のいろいろなところが少しずつ良くならなければならなかったはずです。

OSの便利な機能で社会のスピードが上がったからマイクロソフトにお金が集まり、誰よりも効率のよいファンドを組んで人々の資産を安全に長期間運用したからウォーレン・バフェットにお金が集まりました。

日本の土を汚し、汚した土地を黙って売る行為で、どう購入者に幸福が訪れるのか、私にはとんと検討がつきません。

お金の圧力による商いのない築財をマネーゲームと呼ぶのなら、巨大な財力が成績だけを追いかけて人を幸せにしない箱をデベロップする行為こそその呼び名にふさわしい気がするのですが、さていかがでしょう。
 

法理メール?