計画倒産と顔の歴史

ネット競売で巨額トラブル。家電通販業者が落札者約千人に商品を送らないまま破産。5300万円分、詐欺で立件も。(産経新聞)

速報なので詳細が不明ですが、一種の取り込み詐欺計画倒産かと思われます。

破産法の366条の9第2号をご覧ください。

第366条の9〔免責の不許可決定〕 

裁判所は左の場合に限り免責不許可の決定を為すことを得

二 破産者が破産宣告前一年内に破産の原因たる事実あるに拘らず其の事実なきことを信ぜしむる為詐術を用ひて信用取引に因り財産を取得したることあるとき(以下略)

破産法の趣旨はにっちもさっちもいかなくなった人の債務を一旦チャラにしてプレーヤーとしての再起動を許すところにあります。

人としての尊厳を踏みにじらないことが破産法の思想の底辺にありますが、貸しがある人にとっては大変酷な話でもありますので、その身の始末のつけかたにあっては被害を最小限にしなければなりません。

そのために会社の解散にかこつけた商品や債務の取り込みをしたことが明らかになれば破産は認められません。

そういうものに法が保護を与える必要がないからです。

判例上も支払不能なことを黙ってお金を借りた時や将来の退職金のことをだまっていたときに免責が不許可とされています。

もし法的なペナルティを運良く受けなくとも、騙された人たちのショックは積もり積もって、騙した人の面の皮を少しずつ汚していくはずです。

本人は自分が何をしてきたのかを忘れないのですから。
 


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