そして役所は名簿図書館になった

住基台帳閲覧し母子家庭狙う、強制わいせつ男を再逮捕(読売新聞)

住民基本台帳法の11条をご覧ください。

第11条(住民基本台帳の一部の写しの閲覧)

「何人でも、市町村長に対し、当該市町村が備える住民基本台帳のうち第7条第1号から第3号まで及び第7号に掲げる事項に係る部分の写しの閲覧を請求することができる。」

7条の第1号から第3号とは氏名、出生の年月日、男女の別で、第7号は住所です。

これだけわかればたとえば今年小学校に入る子供がいる家庭の住所録とか、そうとう絞り込んだ名簿を役所で堂々と合法的に作ることができます。

なんのことはない、役所が名簿図書館に化しているわけです。

名簿を閲覧したものによる性犯罪までおこってしまっては、「目的による役所の公開拒否権」など有名無実化しているといわざるをえません。

しかし条文が公開を義務付けてしまっている以上、これをせき止めるのは各自治体における高い意識をもってするほかないことも事実です。

情報の管理に対するだらしない態度が、時に女性や子供に取り返しのつかない状況をもたらすことを今回の事件は役所の窓口に突きつけています。

 

 

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