テーミスが初めて計る錘

ニッポン放、フジテレビに新株予約権・ライブドアに対抗

商法の280条の10をご覧ください。

第280条の10〔新株発行の差止め〕 

「会社が法令若は定款に違反し又は著しく不公正なる方法に依りて株式を発行し之に因り株主が不利益を受くる虞ある場合に於ては其の株主は会社に対し其の発行を止むべきことを請求することを得」

新株予約権とは、将来のニッポン放送株を買うことのできる権利です。

この権利自体をコールオプションと呼びます。

今回の場合、この特典がフジテレビにだけ与えられます。

2001年11月の商法改正により認められた新株予約権は身内にインセンティブとして与えられることのほか、公開買付時に,現経営陣や株主に有利な条件で新株予約権を発行して,企業買収の防衛手段としての活用がもともと想定されていました。

しかし今回の措置ですが一概にフジテレビ側の作戦勝ちともいえません。

というのも新株予約権が著しく不公正な方法で発行され,それでライブドアという大株主が不利益を受けるおそれがある場合には,新株予約権の発行は差止請求の対象とされるのです。

これが上記条文、280条ノ10です。

問題はなにをもって著しく不公正だと判断するかですが、おそらく目隠しをした女神が、一方に新株予約権の発行の条件と発行の理由を、もう一方に旧来株主の既存利益を天秤にのせることになると思われます。

ただこの新設されたばかりの新株予約権、まったく判例がありませんので、ライブドアが提訴すればまちがいなく会社判例百選にのる先例となるでしょう。
 

法理メール?