銀行法が広葉樹なら十分な木陰ができるだろう

大阪市民球団構想、出資100万人目標に(読売新聞)

銀行法の第10条をご覧ください。

第10条(業務の範囲)

「銀行は、次に掲げる業務を営むことができる。
1.預金又は定期積金等の受入れ
2.資金の貸付け又は手形の割引
3.為替取引」

信用組合が球団を経営しようとする場合、上記条文が本来邪魔をするはずです。

しかし今回は出資企業の一つとして名を連ねることにしていて10条を迂回しようという算段らしいです。

銀行法10条の立法趣旨は、経済の血脈である銀行業務の国家経済に果たす役割の最重要性に鑑みて、被許可者には全力でこれにあたらせるところにある物と思われます。

また同時に、被許可者が他業務を営むことで銀行業務で扱う金銭が不透明に融資されることで生まれる金融危機を未然に防ごうという趣旨も読み取れるところです(私見)。

してみれば銀行法を迂回しようとする発想そのものを10条がその下に許さない可能性は十分考えられます。

今後の銀行法の改正を占う意義もあり、事態の進展が注目されます。
 
 

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