愛犬が豪邸を相続?(CNN)
民法882条をご覧ください。
第882条〔相続開始原因〕 |
日本の古い法律のもとでは,相続の中心は「家」の主としての戸主の地位を承継する家督相続でした。
なんのことかいまひとつピンとこないあなたのために付言させていただくと、旧法では家の主人は家の王、妻を支配し、子供の結婚を決め、財産を所有したのです。
その地位の承継こそが、一つ前の法律における「相続」の意義だったのです。
しかし今日において相続とは死者の財産を誰かに帰属させるための制度に進化しました。相続制度の意義の転換は、日本の国土において一個人が立体として徐々に影を濃くしてきたことを意味します。
逆にいえば敗戦により欧米や大陸の法体系の注入がなされていなければ、いまだにあなたの結婚もあなたの日常の所作もお父さんに決められた時代が続いていたのかもしれません。
完全純資本主義が実践されている米国で、豪邸が犬に相続されたそうです。
このことは、相続によって私有財産が代々保障されていくことが、資本主義の発達にとって決定的な要請であることの喜劇的な証明ではあります(私見)。