憲法の20条3項をご覧下さい。
第20条〔信教の自由,国の宗教活動の禁止〕 「3 国及びその機関は,宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」 |
急逝された青木雄二氏がTVから出演依頼を受ける時、「神などいないと言わせてくれるなら出演する」と条件を出すと、これを飲むTV局は皆無だったのだそうです。
それを逆算すると、この国がどういう力で支配されているのか、ちょっと寒くなります。
「神はいる」と言っておいたほうが世の中が丸く収まるのでしょう。
そしてそのほうが、弱者に圧力がかかる構造の世の中でも、人々は奇跡や幸運を信じて一生懸命働くのかもしれません。
明治憲法下では神道が国民を精神的に統制し、多くの若い命がただの弾薬代わりに使用されるための宗教的支柱として利用されました。
これを反省して、現憲法20条3項は、宗教を死の教条にしない工夫をこらしています。
権力へのリモコンをいつまでも自分達の手の中に置いておく保険、それが憲法20条のもうひとつの側面です。
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