公務員の世襲制と地方自治の亜種

徳島の村、職員“世襲” 早期退職の「特典」で合格

徳島県西祖谷山村が9月に実施した職員採用1次試験で、合格者5人全員が同村の幹部職員の子供だったことが17日、分かった。」

憲法の第15条1項をご覧下さい。

第15条1項

「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」 

15条1項の仕事は、明治憲法下において庶民を見下ろしていた役人と、庶民が行政へ仕事を請願していた構図をいったん壊し、同じ高さに座っている役人に私たちがへりくだることなく行政を頼む構図に転換したところにあります。

おまわりさんや区役所のおじさんたち公務員は、わたしたちが彼らを信頼して拳銃や強大な権限を任せているわけで、公務員を選定・罷免する権限はもともとの力の源泉である主権者、すなわち国民になければならないのです。

しかしだからって私たち国民が具体的に公務員という公務員をすべて、選んだり首にしたりすることは現実にはムリです。

結局、15条1項は公務員の地位と権限を国民の意思に基づかせて、公務員にその権力の行使を国民全体の利益に沿って、公平に行わせることに重要な意義があるのです。

ということで今回徳島県西祖谷山村で勝手に公務員の世襲制が取られたことは、突然駐在さんが村民の指紋を採取しはじめたり、役所の役人がどんどん増長しはじめることを許すような地方自治の亜種の種をまいてしまったことを意味します。


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