立証責任はあなたにあると容赦ない未来が言った

保険金払うべき出火か「立証責任は保険会社」…最高裁

「傷害保険に関する立証責任については、不慮の事故であることを保険金請求者が立証しなければならないとした最高裁判例があり、火災保険でも下級審が同様の判断をするケースもあった。今回の最高裁判決により、被災者救済の可能性が広がることになりそうだ。」

民事訴訟法の第2条をご覧下さい。

第2条

「裁判所は、民事訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない。」
 
立証責任とは、例えば保険会社が「火事は保険適用範囲外だ」という事実のための証拠を提出したものの、裁判官を納得させられなければ、「保険適用の範囲内」だとされてしまう不利益のことです。

民事訴訟法は紛争の適正解決と迅速解決が二大命題であり、そのため2条で迅速のための職権主義と、適正のための当事者主義が表現されています(私見)。

立証責任は職権主義の要請といえますが、チャッチャと紛争を処理しようという概念であり、多少強引なので学説上は問題が指摘されています。

ところでこれまで、立証責任の分配を含め、この国では銀行は訴訟で絶対に負けてきませんでした。

いわば公器として国が守ってきたとでもいえます。

そういう銀行が最近ぽろぽろと訴訟で負け始め、今回は保険会社に立証責任が負わされています。

立証責任の分配についてフェアな判断がなされた判例というのは、より容赦のない形式判断のなされる時代をも予告している点に注意が必要です。




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